自分の会話のスタイルを認めてあげよう 〜話し下手の私を解放したもの〜

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私は長い間、話し下手であることに悩んでいました。中学生くらいの時からずっとです。

中学と高校には電車で通っていました。電車で友達に会ったら、そこから一緒に行き帰りすることになるわけですが、話し下手である私にはこれが苦痛でした。何を喋っていいか分からず、ずーっと無言のまま過ごすこともよくありました。また、沈黙を埋めるために、何とかひねりだした言葉が、相手を不快にさせることもよくありました。

部活の帰り道、先輩から怒られたこともあります。「おい、なんかしゃべれ」。

大学に入ってからも、話し下手は私を悩ませました。特に飲み会の席。はじめは4人席に座っていたはずなのに、1人2人と私の席から離れていき、気がつくと私1人、というのは何度も経験しました。

長机の場合は、気づくと自分の左隣の人は自分に背を向けてその左隣の人たちと話し、右側の人はその右隣の人と話す。私1人がどの輪にも入らずにポツンとしているのです。

 

自分は話が下手

自分の話はつまらない

 

こういうコンプレックスがガッチリとこびりつきました。

 

話し下手が会話に参加するためにやっていたのが、とにかく相槌を打つこと。

 

「へー」

「そうなんだー」

「すごいねー」

「ははは」

 

こうやって相槌を打つことで会話の仲間に入っている気になっていました。でも、思えばこれは、会話に入るためではなく、1人浮いている人って周りにバレないようにしていただけ。実際には仲間には入れていなかったのです。その証拠に「昨日の飲み会、こんな話があって面白かったんだよ」「え、俺、その場にいたけど、、、」「え、いたっけ?」ということがよくありました。

 

話し下手から解放される三つのきっかけ

 

そんな私ですが、最近やっと話し下手であることの悩みから解放されつつあります。

 

1人飲みで掴んだ自分の会話のペース

私の趣味は1人飲み。1人でバーに行って1人で飲む。1人飲みのいいところは、話したいときにはマスターと話し、黙りたいときに黙ればいいところ。2人以上のときは、黙っていると相手や周りが気になって、喋らなきゃと焦りますが、1人飲みでは黙っていても全く問題ありません。話したい時に話したいことだけを話せばいいのです。こうやって、自分のペースで話すことで、自然に話しているときの自分の姿が徐々に描けるようになったと思います。

ちなみに、最初はもちろんバーテンダーさんとお話するのも怖かったです。でも、バーテンダーさんは、お酒とお話のプロフェッショナル。だから、大丈夫なんだということが徐々に分かってきました。

参考までに、バーテンダーさんとお話したくても話題がないときは、「お酒の話」をすればいいのです。お酒のことなんて知らなくていいし、知ったかぶりは逆に恥ずかしい。「このお酒、なんていうお酒ですか」でいいし、「どうやって頼めばいいかわからないんですけど」でもいいです。優しく教えてくれます。

 

無理に話さなくていい

二つ目のきっかけ。あるセミナーで、グループワークをやった時の話。私のグループは、たまたま、静かな人たちが集まっていました。しばしの沈黙の後、グループの人たちが言いました。「このグループは無理に話さなくてもいいから、居心地がいい」

話さないことは悪いことだと思っていた私は、この言葉ではっとしました。

「ああ、無理に話さなくてもいいんだ。」

沈黙が訪れるたび、沈黙は悪であり、この沈黙は自分のせいであると自分を責めていました。そして、そう思うとますます何も話せなくなる。でも、そんなことする必要ないのだと気が付きました。

 

エニアグラム

3つ目はエニアグラムとの出会い。エニアグラムとは、性格のタイプを9つに分類したもの。タイプごとの特徴とともに、陥りやすいパターンや成長の方向などがまとめらています。

◎過去記事:「エニアグラム 自分のことが分かる本」を読みました

 

私はタイプ5。そしてタイプ5は1人でいることを好む傾向にあることが分かりました。

内向的であることは、私の欠点だと思っていました。社交的で話が楽しい人にあこがれ、その人に比べて自分は「足りていない」のだと。

でも、そうではありませんでした。1人が好きなことは、私の性質。欠点なんかじゃなった。

まとめ

無理に喋らなくていい、と考えるようになって、人と話すのが楽になりました。不思議なもので、そうして気持ちが軽くなると、ほんとうに話したいことが少しずつ湧いてきます。そして、そういう心からの気持ちを話すほうが、心地がよく、結果的に会話も盛り上がります。話さなくていいって思ったことで、話せるようになりました。

口数が少ないのは、欠点でなく、性質でした。口数が多い人が優れているように感じていましたが、逆にそれを悩んでいる人もいるのだということも分かってきました。

自分の性質と会話のスタイルを認めてあげることが、会話を楽しめるようになる一歩だと思います。