「勝って兜の緒を締める」より前に、もっと喜びを味わってもいいじゃない?

よく耳にする諺に「勝って兜の緒を締めよ」というものがあります。戦い勝っても油断せずにさらに用心が必要である、という意味です。大切なことである反面、そればかりやっていると、喜びの感情を置き去りにしてしまいます。

結果がでるまで、喜んではいけない?

最近、嬉しいできごとがあったときのこと。そのときのことを後から振り返ってみると、あまりその場で喜びを表現しなかったなぁと思います。それは今回に限ったことではなく、今までもそういう傾向があります。嬉しいできごとがあっても、喜ぶ前に、速攻で兜の緒を締めてしまうのです。

「まだまだこれから」
「これからしっかりしないと」
「もっとこうすればより良かったかもしれない」

という具合です。

この傾向は、自分だけではく、周囲にも感じます。例えば、スポーツの試合での勝利インタビュー。優勝会見を除き、満面の笑みで喜んでいる姿をあまり見かけません。

「まだまだ初戦なんで、これからです」
「試合には勝ちはしましたけど、いろいろ課題が見つかりました」

会見で大喜びをするのは、優勝したときだけで、それ以外に喜びの会見をあまり見たことがありません。

ひとつひとつの喜びを大切にする

でも、これってもったいない、と最近思うようになりました。嬉しい気持ちを押し殺し、「まだまだです」と兜の緒を締めてしまうことに慣れていると、どんどん嬉しい気持ちに鈍感になっていきます。勝っても勝っても緒を締め続け、いつまでたっても兜を脱ぐことができません。

次に備えることも大切ですが、それは喜んだ後です。喜びの感情に蓋をして次に備えてしまうと、その喜びは行き場をなくしてしまいます。勝って兜の緒をしめるのは、喜びの感情をひとしきり味わい尽くした後にしたいと思います。

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こばだい