2025年の年始休み、東京の目黒雅叙園にある百段階段で開催中の企画展、「百段百景〜あこがれの竜宮城〜」に行ってきました。歴史と技巧と美に囲まれた空間を味わいながら、今年の過ごし方についても思いを巡らせてきました。
百段階段とは
百段階段とは、東京の目黒雅叙園の中にある建築物で、東京都の指定有形文化財に指定されています。建てられたのは1935(昭和10)年で、雅叙園で現存する唯一の木造建築です。7つの部屋を99段の長い階段廊下が繋いでおり、各部屋の天井や欄間には、当時屈指の画家達が創り上げた美の世界が描かれています。
企画展「百段百景〜あこがれの竜宮城〜」
百段階段に行くには、入り口からエレベーターで上がっていきます。このエレベーターの内装が、とても豪華。
3階に上がって少し行くと、百段階段が始まります。
階段は7つの部屋を繋いだもので、それぞれの部屋には、天井から、壁、襖の一枚一枚の細部まで、当時の巨匠の手によって作り込まれていました。
階段を上がりきったところにある頂上の間には、一枚の絵が飾られていました。ごちゃ絵クリエイターのMizuki Takamatsu氏の作品で、百段階段の空間と、そこまつわる過去から未来までの歴史が、一枚の絵の中に見事に詰め込まれていました。
この絵で百段階段の構造を改めて把握し、かつそれぞれの部屋での営みの歴史を想像してから、下り道にもう一度各部屋を見ると、より味わいが増しました。
贅沢さってなんだろう
こういう部屋で宴会をしたり、会食をすると、どういう気分になるんのかなと、想像を巡らせます。そして画家たちが作り上げた美と、積み重ねた歴史に囲まれた空間にいると、「贅沢さ」というものについて考えされられいます。
タイパ重視で、一つ一つのものをじっくり味わう余裕もなく過ごしている自分。贅沢さとは、物の多さや掛けた金額の多さでもなく、物事に費やした時間の多さ、思考の深さ、思いの深さなのではないかと思います。時間の贅沢さについては以前に以下のような記事も書きました。
贅沢な時間の使い方とは〜一つのことに惜しみなく時間をかけて過ごす 〜 | kdsk.jp
今年はもう少し、一つ一つの物事や、出会う人たち、過ぎゆく時間、湧き出る感覚にじっくりと向き合ってみようと思いました。