いいかねPalette滞在記 -福岡県大川市で廃校を利用した施設に泊まる-

2025年の春分の日から始まる飛び石連休を利用して、福岡県田川市にある、いいかねパレットに滞在してきました。

いいかねパレットとは、福岡県田川市にある複合施設で、廃校となった旧猪位金小学校を利活用し、「なんでもできる世界をつくる」をキャッチフレーズに誕生した施設です。広い校舎を活用し、音楽スタジオ、ワーキングスペース、宿泊スペース、キャンプスペースなどがあります。私がここを知ったきっかけは、毎日聴いている歴史Podcast、コテンラジオ。ここはコテンラジオのパーソナリティである樋口さんが立ち上げた施設で、リスナーとして聴いているうちにそのコンセプトに興味を持ち、今回4日間滞在してきました。とても楽しい4日間だったので、どんな施設でどのように過ごしたか、ご紹介します。

東京から福岡県田川市へ

出発したのは2025年3月の春分の日。貯まったマイルを利用して、羽田空港から福岡空港へ向かいます。実は私、福岡へ行くのはほぼ初めて。一度だけ、下関から帰る時に電車で小倉に行ったことがあるくらいで、本格的に訪れるのは今回が初めてです。

羽田から福岡空港は約1時間40分。福岡空港から博多へは地下鉄で向かいます。噂で聞いていた通り、たった二駅という近さ。羽田と成田にも見習ってほしいところです。

博多からJR篠栗線に乗り、1時間ほどのところにある新飯塚へ向かいます

さらにここから単線の後藤寺線に乗って、田川後藤寺へ。この辺はパスモが使えません。

ここからさらに日田彦山線に乗って、隣の池尻駅へ。ここからの車両は、電車からディーゼルになります。

池尻に到着。無人駅です。

いいかねパレットでは自炊ができるので、駅前の食彩館で食材を買っていきます。結構広いスーパーです。

平日だとコミュニティバスで行けるようですが、この日は祝日だったで、ここからは歩きです。途中で日も暮れてゆき、街灯も少ない道を30分ほど歩きます。到着した時には暗くなっていました。

いいかねパレット施設紹介

ここからは、いいかねパレットの施設を紹介します。まずは改めて、明るい時に撮った校舎。旧猪位金小学校の校舎をリノベーションしています。

校庭は駐車場になっています。元々は土のグラウンドだったものを、先日クラウドファンディングで綺麗にしたそうです。

建物の中は、いわゆる小学校の校舎です。懐かしい感じがしますね。

シェアライブラリー。24時間使える場所で、ワークスペースとして利用できるほか、飲食も可能です。天井が高くて、開放感があります。Wifiもあるので、二日目はここでひたすらリモートワークをしていました。

シェアライブラリーの片隅にはキッチンと冷蔵庫があり、最低限の調理機器、電子レンジ、食器があるので、ここで自炊ができます。

別の片隅には、書籍コーナーがあり、色々な本を手に取って読むことができます。ここにある本を読んでゆったりと過ごすのもいいですね。

音楽スタジオ。ここであの人気ポッドキャストである、コテンラジオが誕生しました。ちょうど予約が入っていない時間だったので、親切なスタッフの方が中を見せてくれました。

廊下の一角にはピアノが置いてあり、夜間以外は自由に演奏することができます。

別の廊下の真ん中に、見たことあるドアが置いてありました。こういう遊び心、いいですね。お客さんの多くはここで記念写真を撮っていました。

ドアを抜けた廊下の先にあるのは、おいとま食堂。ランチのみ営業しています。

黒で統一されたおしゃれな店内。自然光とのコントラストを生み出すことで、光と闇を表現しているそうです。落ち着く空間です。

看板メニューのチキン南蛮。胸肉を使ったヘルシーなチキン南蛮で美味しかったです。他にも、生姜焼き定食や、豆腐ステーキ-麻婆風-などがありました。

食堂の一角には、コーヒーのロースターが置いてあり、カフェコーナーが。

16:00になると、おいとま食堂の閉店と入れ替わりで、TAS COFFEEがスタートします。店主こだわりのコーヒーをいただきながら、店主と田川に関するいろいろなお話しができました。

おいとま食堂の前には2階にあるお店の看板

2階に上がると、いくつかの店舗スペースがありました。子供服を売るお店や

子供のための、アートスタジオ

フォトスタジオ「羊と心臓」

フォトスタジオは予約があるときだけお店の方がいるようですが、この日はたまたまいらっしゃったので、記念にプロフィール写真を1枚取っていただきました。

この日は、2階にあるアーツトンネルさんのイベントで、子供達が作った作品たちが展示してありました。

宿泊するのは、ドミトリー。教室の中にずらっと2段ベットが並びます

中はこんな感じで、カプセルホテルみたいですね。秘密基地感があります。

貴重品はベットの端にある鍵付きの部分に入れることができます。パソコンも十分に入る大きさです。

ドミトリーの隣にはシャワー室が2つ。シャップー、ボディーソープ、コンディショナーも設置されています。ドライヤーもありますが、利用は8時から24時の間に限られています。

いいかねパレットでの過ごし方

ここからは、4日間の私の過ごし方

1) シェアライブラリーでリモートワーク

当日した翌日は、カレンダー上では平日の金曜日。この日はあらかじめ会議を入れずにいたので、シェアライブラリーでひたすらにリモートワークをして過ごしました。電源がありWifiも利用できるので、問題なく仕事できました。ただ、会議用のブースなどはないので、リモート会議もここで行います。私は人前でWeb会議をするのが苦手なので、そういう場合はなるべくリモート会議の予定を入れないでおくことをお勧めします。

お昼は先ほどご紹介したおいとま食堂。時々仕事に疲れると校庭に出て気分転換しながら過ごしました。

2) 人と交流する

いいかねパレット滞在中は、様々な人と交流することができました。まずはスタッフの方。到着すると、施設内を丁寧に案内していただきました。私がコテンラジオきっかけで知ったことをお話しすると、ラジオが誕生したスタジオも見せてくれました。施設を案内しながら、最近のいいかねパレットの取り組みなど、色々と気さくに話していただだけました。

施設は宿泊者以外にも、近所の方も利用しているようです。私がiPadで作業していると、一人の方が話しかけてきました。聞けば私のiPadに興味があるとのこと。若い方だなと思っていたら、地元の高校生でした。学校がない時間に、ここで過ごしているようです。私の知らないiPadの話を色々教えてくれました。ちなみに、最寄りの池尻駅周辺にはiPadを売ってそうな店がなかったので、どこで買うのか聞いたところ、飯塚で買うのだそうです。そういう地元での生活の一片が垣間見れたのも面白かったです。

施設には私のような短期滞在の方のほか、1ヶ月以上長期に滞在している方がいるのが特徴です。月額25000円から滞在でき、長期滞在の方用には別のキッチンもあるようです。

滞在3日目の夜、私がシェアライブラリに行くと、長期滞在の方、短期滞在の方、パレットの社長、スタッフの方、田川市在住の方が入り混じって、お酒を飲んでいました。私が別テーブルに座っていると、パレットの社長である青柳さんが気さくに声をかけてくれ、一緒に輪に入れてもらいました。みんな顔見知り同士の方々かと思いきや、同じように初対面の方もたくさんいました。そんな参加者が、私も含めて初対面同士とは思えなくらいに楽しく話す、そんな場ができていました。

仕事も年齢も住んでいる場所も違う、多様な人たちが、たまたま顔を合わせたところでこうやって交流する。とても刺激的な時間でした。

3) 周りを散策する

いいかねパレットの周りには、お店はほとんどなく、田園風景が広がっています。3日目の土曜日は、天気も良かったので、周囲を散策してみました。

田園の中をのんびりと歩いていると、神社がありました。

階段を登ると、質素な佇まいの建物が。周囲を見ると、焚き火の跡や、おみくじを結んだ木々があり、きっと色々な祭事で使われている神社なのだろうと思います。

神社の近くの道端には、こんな感じの建物もありました。

いいかねパレットから一番近いコンビニは、歩いて十数分のところにあるセブンイレブン。

ちなみに、クラフトビールは置いてませんでした。

4) 田川の街で飲む

田川で一番の繁華街は、田川伊田とのことで、この日はこちらへ。

駅舎がかっこいいですね

駅から歩くと、飲み屋街がありました。

外から中の様子が見えないお店に入るのは、私にとっては勇気が必要なので、外から中の様子が見え、良さげな雰囲気だったこちらのお店に行くことにしました。「小料理 のん」。

アサヒスーパードライ。

料理は女将が作る家庭料理で、どれも親しみやすい美味しさです。座席はカウンターのみ。常連さんで和やかな雰囲気でした。

2件目は、隣駅である田川後藤寺にある、Jam Lifeへ。

曜日によっては、Liveが開催されるようです。

この日は空いていたので、カウンターに座ってお店の方とお話。「買い物に行くときは、博多まで車ですね。」みたいな、生活の話が聞けて楽しかったです。

まとめ

3泊4日の旅。今回は、観光地に訪れるのではなく、その土地に行ってそこを楽しんだ旅でした。こうやって、東京ではないところに縁を作っていくのもいいですね。今回は短い期間で少しかじった程度なのでまた行ってみたいと思います。