相手に合わせるコミュニケーションが、上手くいかないケース

人の話を傾聴するときのやり方として、ペーシング、というものがあります。相手の話すペースや、動作のペースに合わせる、というものです。そうすることで、相手に安心感を与え、相手がより話しやすいようにするのですが、場合によってはペーシングしない方がいいケースもあるなと感じる出来事がありました。

ペーシングとは

ペーシングとは、相手の話を傾聴するときのやり方の1つです。話すペースや、動きのペース、あるいは気持ちのペースに合わせることで、相手に安心感と信頼感をあたえ、話やすくすることです。ペーシングの効果を理解するには、その逆を考えてみれば分かりやすいです。やたらと早口な人や、逆にゆっくり過ぎる人と話すと、少し話しづらさを感じるときはないでしょうか。あるいは、自分はノリノリで話しているのに無表情な人、自分は悲しい話をしているのにニコニコしているの人なども、話ずらさを感じます。相手のペースに合わせることは、相手に寄り添うことでもありますので、相手に安心感や信頼感を持ってもらいやすくなります。

とはいえ、いつもペーシングすればいいわけではない

今日、仕事で社内の人と会話しているときのことです。会話がなんとなくスムーズにいかないのを感じました。なんか変な間ができたり、逆に発言がかち合ったり。例えるならば、人と道ですれ違うとき、お互い同じ方向によけあってしまってなかなか通れないときに感じるような感覚です。

なんでかなー、と考えてみて原因が思い当たりました。お互いがお互いの話にペーシングするタイプだったのです。車と同じで、片方のクルマのスピードが一定であれば、そこに合わせるのは簡単です。でも、お互いがお互いのスピードに合わせようとしてペースを変え合うと、なかなか同じペースになりません。会話で違和感を感じたのはこのためでした。こういうときは、むしろ相手に合わせずに自分のペースをはっきりと表した方が相手が合わせやすく、会話が スムーズに進みます。

ペーシングすることに慣れてしまうと、自分でペースを作り出すことに抵抗を感じてしまう面もありますが、むしろ自分がペースを作ることで会話が上手く行くこともあるな、ということを実感する出来事でした。

この記事を書いた人

こばだい