人は前にしか進めない
私の好きな作家、浅田次郎氏の小説に、こういう言葉があります。
よぉっく聞け。決して後ろに退がれねぇ。走っていなけりゃ倒れちまう。雨がふりゃ雨に向かって、風が吹きゃ風に向かって走り続けにゃならねえ。俺ァ若え時分、命と取っかえてでもこいつが欲しかった。バイクってのァ、そういうもんだ。
(浅田次郎 プリズンホテル 春より)
歴史は螺旋状に繰り返す
歴史は繰り返す、とよく言います。たとえば流行りのファッションでも、親の世代に流行っていたものが、今再び流行りだすことがあります。でも、それは全く同じものではなく、形を進化させて流行ります。
高校生のときに、歴史の先生が言った言葉です
歴史は螺旋状に繰り返す
失ったものを取り戻すには
あの時これをやってたら、あるいは、やらなかったら、失わなかったかもしれないもの。なんとか取り戻したくても、でも、時間は巻き戻らない。仮に巻き戻っても、あの時と同じ自分のままでは、また同じ。
失ったものを取り戻したければ、前に進むしかありません。でも、前に進むと、失ったものからどんどん遠ざかってしまうようで、怖いですね。失ったその近くで止まっていた方が、また手に入るんじゃないか、という気がしてしまいます。
でも、きっと大丈夫です。
なぜなら、歴史は螺旋状に繰り返す。
前に進んでいれば、またいつか、ぐるっと回って、失ったもののところに戻ってこられると思います。
今度は前よりも進化した自分になって。