『自分を信じるレッスン 〜マインドフルネス・セラピー入門(手塚郁恵著)』〜 嫌な感情こそ、じっくりと味わう〜[書評]

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『自分を信じるレッスン 〜マインドフルネス・セラピー入門(手塚郁恵著)』という本を読みました。

怒りや不安、恐れ、妬みといったマイナスな感情は、なるべく無い方がいいのだと思っていましたが、むしろそれをちゃんと感じることが大切なんだと気がつきました。

マイナスな感情や感覚も、自分の素直な感覚である

マインドフルネスという言葉は最近だんだん広がってきましたね。googleが取り入れているということで、ビジネスの世界でも聞くようになりました。過去にとらわれず、未来を恐れず、今この瞬間をただ感じることです。

この本を読みながら、呼吸を整えてリラックスし、マインドフルネスの状態になったところ、なぜか過去の嫌な出来事や嫌な感情が思い出されてフツフツと怒りが湧いてきました。この時に限らず、わたしはリラックスしている時とか、よく眠れた朝など、本来爽やかな気分になってほしい場面で、逆に嫌なことが思い出されてマイナスの感情に支配されることがときどきあります。

このようにマイナスな感情が湧いてくると、頭がこの感情に支配され、次から次へと起きてもいない妄想が展開されていきます。そして途中で、「ああ、いかんいかん」といって我に帰るのです。

でも、この本の中にはこう書かれています。

ネガティヴなものであれ、ポジティブなものであれ、私がこのように感じるにも、きっと「ワケ」があるにちがいない – そう信頼して、その感情と付き合うことができる。それが、「自信」なのではないかと、私は思うのです。

嫌な感情を否定しない

なので、今回はあえてしばらくその感情に浸ってみました。何度となく思い出す、昔言われた嫌な言葉、嫌な体験、そこから湧いてくる感情、声にならない思い、言いたくても我慢した主張などなどがふつふつと湧いてきます。そして気がつきました。この嫌な感情も、自分の素直な感情なのだと。

ずっと自分の中にあるのに、あってはいけないものとして扱われてきた感情。ずっと自分の中にある感情だからこそ、リラックスした時や、体の調子がいい時に、表に湧いてきていたのです。そして、そのたびに、「こんなこと感じてはいかんいかん」「もっと前向きに考えよう」とアタマで考えて、蓋をしてきたのです。

だから、今回はその感情に存分に浸り、認めてあげることにしました。ずっと抱えていて、ずっと分かって欲しかった感情がそこにあることを認めてあげることにしました。ずっと、分かって欲しかったんだねと。

そうしているうちに、しばらくすると、気持ちがすっと軽くなりました。これはとても驚きの体験でした。いやな感情も、認めて感じ切ると、どこかでふっとその性質が変わり、嫌な感覚が軽くなるようです。

まとめ

嫌な感情は感じずに、楽しい感情や嬉しい感情だけを感じる、ということはできないようです。嫌な感情を蓋をしてしまうと、それがいつまでも消化されず残り、事あることに湧き上がってきます。否定せずに感じきってあげる事が大切だと知りました。